4kgの脂肪とともに私がRettyで学んだ5つのこと。
2015年2月20日にRettyを卒業しました。
去年の10月から始めたRettyでのインターンを先日終えました。職業病とも捉えられる体の増量とともに22歳大学4年生の私が学んだことを5つだけ取り上げたいと思います。
と、その前に私がRettyで何をやっていたのか簡単にお伝えします。
前の会社では、営業で常に外回りをしていたり、ちょっと前はインドでデザイナーをやっていた私ですが、今回はディレクターをやらせてもらいました。
Rettyのディレクターは、プランニング〜ディレクション〜効果測定までの一連の流れをすべてやります。インターンだって同じです。以下でも触れていきますが、私は最初の1ヶ月間はアプリ内に配信される記事作り、その後は新規ユーザーさんの継続率アップPJのリーダー、CS、キャンペーンPJを担当していたりしました。
出社頻度は週4〜6日でした。卒論もありましたが、なんとなくやり過ごし、週に1度のゼミ以外の日はほぼ出社していた感じです。ちなみに一応言っておくと、誰かに言われたわけではありません。一切。ただ、自主的に行きたかったから行っただけです。(友達がいなくてやることがないという仮説もひとつあります。)
さて、このくらいにして以下から本題に入ります。
Rettyで学んだ5つのこと。
1. 「私が頑張る」だけではどうにもならないということ
当たり前じゃないか、と吹き出してしまった人ごめんなさい。そうです、当たり前なんです。でもそれすらも私は知らなかったんです。
私は一人が好きだった。なんでもできる自分が好きでした。
だから、気づかないうちに以下のことを避けて生きてきたみたいです。
- 人と一緒に何かをすること
- 誰かに何かをお願いすること
誰かを頼るくらいなら、自分が頑張る。自分が無理をする。自分を犠牲にする。そうすることで誰かと関わってくるのを避けてきたのかもしれません。
私が卒論で扱った『碾臼』(The Millstone, 1965) のヒロインであるロザマンドも同じで、人を頼ることは大罪だと思ってしまっていたのです。ただ、それは、人に頼ることで自分が(迷惑だと思われて)嫌われることを避けたかったという気持ちも含まれていたりします。
つまり、私はただの怖がりだったんです。嫌われたくないだけの小心者だったということです。
そんな私がRettyでやったことは
- 誰かに自分のやりたいことを叶えてもらうためにお願いすること(しかも一人じゃない)
- それが週に3回くらいある
私にできないことは無数にあって、それができる人も無数にいる。だからそのできる人にお願いする。そんな単純すぎることですが、私にとっては怖いことでした。自分がただ、わがままなやつなんじゃないかという錯覚、忙しいのにうるさいなと思われるんじゃないかという想像上の恐怖。
これらはすべて私が、自分のことしか見ていなくて自分を可愛がってしまっていたから生まれた空想です。社内の人はみんなRettyのことを、ユーザーさんをHappyにするために働いていました。だから、この空想が現実になることなんて一度もありませんでした。
言い換えると、みんなの向いている方向が一緒だと、ディレクターがインターンだとしても、誰かの個人的なわがままな感情のせいで施策が実行できないなんて、そんなことはあり得ないんです。当たり前だと思います。でも、当たり前じゃない会社もあると思います。
2. 基本的に解はないということ
これまで私がやってきたことは、
- 明確な期限がある
- 明確にやらなければならないことが分かっている
- 成功と失敗が明確
こんな感じのことだったかなと思います。それは小学生から遡っても同じ。でも、今回は違いました。
- ヒントはあるが、答えはない
- なまけたければいくらでもなまけられる
- 「やるべきこと」から探さなきゃいけない
目標を達成するためになんとなくここを変えなければならない、ということはあっても具体的にどうしたらいいのか、はやってみなきゃ分からない。その具体的にどうすればよいのか=現状の「負」を見つけようとする努力を怠ればもう何も見つからない。なにをすればいいのか全く分からない状態までズドーーーーンと落下。暗闇を歩き回る、私は施策を考える時、そんなイメージでした。
光が見えるのは、施策を思いついた時ではなくて、結果が出た時。だから、デザイナーさん、エンジニアさんにお願いする時、自信なんてもてないかもしれない。でも、なんとしてでも持たなくてはならないんです。ディレクターの私に自信がなくては、誰もやる気になんてなってくれません。解なんて基本的にないから、「やりたいこと」を明確にして自信を持つしかないんです。そのためには、知識や上司のFBが頼りになります。
3. 環境が人を変えるということ
また当たり前のこと言いやがって・・・ってすみません。そうですね、よく言われる当たり前のことだと思います。ただ、私は今までこんなに任せてもらって(しかも社員対等に)自分の成長をこんなに短期間で感じたことはありませんでした。
最初に私がやってことは、アプリ内で配信される記事を書くこと。たかが記事って思うかもしれませんが、それにもデザイナーさんとエンジニアさんの協力が必要な記事でした。最初「記事を書いてみて」って言われた時、まさか実際に配信されるなんて実は思わなかったんですよね。とりあえずどれくらいできるやつなのか見てみる程度かな、なんて思ってたら、速攻で配信する予定だと告げられるし、本当に最初はRettyのスピード感についていくのが必死でした。
そんな私を、2ヶ月後には新規に登録してくださったユーザーさんの継続率をUPさせるPJのリーダーとしてアサインしてくれ、同時にキャンペーンのPJも任せてもらいました。「信じて任せる」というRettyのルールがあって、まさにそれを体現しているんです。
こんな重要な役になったことがなかったので、たくさん問題が起きました。これまでの人生で、「できなくて泣いたこと」なんて一度もありませんでした。正直に言うと、私は失敗したこともありませんでした。なんとなく頑張れば叶いそうな目標をたて、器用に叶えていく。勉強も運動もできたし、かといって地味な優等生キャラでもない。クラスの主要なグループには必ず所属している感じ。
初めて一気に大勢の人に責められてる感覚と、自分じゃどうしようもできない不甲斐なさ、できない自分を目の当たりにした悔しさ、色んな感情がぐちゃっとなって単純に「辛い」と思ったのは、初めてかもしれない。でも、絶対に負けないって思った。
逃げるのだけは、負けるのだけは、絶対に嫌だ。
この気持ちが私を成長に繋げてくれた気がします。
次のキャンペーンは大成功でした。^^
環境のおかげで成長はできる。でも、
- 任せてもらえる環境を選ぶこと
- 任せてもらえる自分になること
この二つは個人マターだと思います。
4. 細部にこだわること
プッシュ通知のたった数文字を決めるのに、1日かかったことがあります。「まじかよ」って思いました。たったこれだけのことで何も変わらないから早くOKだしてもらって他の仕事とりかかりたいよ・・・って思いました。笑
でも私が間違っていた。神は本当に細部に宿るものだと思います。
たった1mmいや、1px違うだけで人への影響は大きく変わってくるんです。
ユーザーさんはもちろんだけど、Rettyの場合は社内に対しても細部にこだわっていて、だからとっても素敵な組織なのだと思います。例えばRettyでは月に一度、社外の方との交流も踏まえ、オフィスで「イイゴハンの会」というものを開きます。このネーミング「良いご飯を食べる会」とか、「Rettyご飯会」とかだったらそのうち消滅してるんじゃないかと思います。w
たったひとつの名前だけど、「イイゴハンの会」だからこそ愛着も湧いてくるんじゃないかと。
それから行動規範やルールが一箇所だけじゃなくてトイレの壁にも貼ってあったり(笑)、社員ひとりひとりのプロフィールがオフィスの壁に写真とともに貼ってあったり、こういうちょっとしたことの積み重なりが素敵な組織を創るのだと思います。
ちなみに細部にこだわるには、相当意識が必要で、疑問を持ち続けなればならないと思います。このサイクルをいかに早くするか、それが仕事の上でも大事な力な気がします。
5. 人は温かいということ
前述したように、私は人生で初めて失敗し、たくさんの人に同時に責められた感覚を味わいました(実際には責められてはないのだけどw)。でも、たくさんの人が助けてくれました。たくさんの人が大丈夫?って声をかけてくれました。ご飯に連れて行ってもらったし、スタバの券もらったし、アイス買ってきてと言ったついでに自分の好きなの買っておいでって言われたし、その度に苦しくなった。
こんな大学生の小娘が、Rettyのブランドを汚してしまうかもしれないような失敗を犯してしまったのに、それでも優しく助けてくれるなんて、こんなあったかいことされたことありませんでした。
人はみんなライバルで、勝たなければならない。
そんな風に思っていた私だったから、人の優しさに直に触れて、私自身も人に優しくなれそうです。
素敵な4ヶ月半を、本当に本当にありがとうございました。
宮坂望未